/経歴・・・・・ 現在は鎌倉に住み、藤沢市六会の2棟のアトリエを拠点に制作活動を行っています。 彦坂尚嘉は、日本の現代美術史の中では、戦後前衛美術家の最後の位置を占めています。本年3月6日〜6月3日までロスアンジェルスのゲッティ・インスティテュートで開催されている“Art, Anti-Art, Non-Art: Experimentations in the Public Sphere in Postwar Japan, 1950-1970,”(芸術・反芸術・非芸術/戦後日本の前衛美術、1950〜1970年)という回顧展では、彦坂尚嘉が前衛作家の最後に取りあげられています。そしてまた国内の美術史の中では「もの派」を痛烈に批判したアーティストとして知られ、《もの派の外部》を形成した「ポストもの派」の最先頭作家でありました。そういう意味では戦後モダニズムアートと、1975年以降のポスト・モダンアートの両方にまたがった作家と言えます。
/作品・作風・・・・・ さらに先行するもの派を強く批判する立場から、木の上に色彩と形象を復権して、琳派につながる意匠性をもった具象とも抽象ともつかない未分離で両義性を持つ形象絵画を作り出します。この色彩と形象の復権は、それ以後のいわゆるニューウエーブの絵画よりも早くて、ポスト・モダンアートの最も早い先駆けとなるもので、多くの影響を与えました。が、同時にその芸術は〈象徴性〉〈想像性〉〈現実性〉の3性を同時にもつ作品制作へと向かって展開して、異質の孤立性と理論的探究性を示します。 作品は〈二流〉〈一流〉そして〈超一流〉作品へと次第に〈格〉を上げる展開を示していきます。
/コレクション・・・・・
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