松尾藤代 Total Loss Room 2004-1
何かを失った感覚、そうある種の喪失感を感じながら絵画の前で佇んでいるのである。し
かし全てを失ったとしても、いや全てを失ってこそ、それでも残っている最後の願い(光)
がそこに存在することを松尾藤代の絵画は語りかけている。それは彼女の内面に灯された
白い生命の炎なのかもしれない。あるいは、明日という日を信じて、それに向かってゆっ
くりと眼を開く時、その向こうに拡がる善なる世界へと誘う光そのものなのかもしれない。
そして、生きるということは、この光とともに輝くことなのかもしれない。松尾藤代の絵
画を視ることにより、私たちは、唯一のもの(光)に引き寄せられていく感覚、その中に
身体が満たされていく感覚、光に還元化され、それに一体化されていく感覚を体験するこ
とになる。そして次には、絵画が私たちの身体から離れていくことを告げ、私たちの現前
に光の塊りとなり、絵画としての自律のプロセスを誇らしげに顕わにするのである。そし
てその時こそ、私たちは、松尾藤代の絵画が作家の手元からすら解き放たれたことを知る
のである。
商品番号 |
pd0004 |
商品名 |
松尾藤代 Total Loss Room 2004-1 |
販売価格 |
89,100円 |
税別価格 |
81,000円 |
送料区分 |
送料込 |
在庫数 |
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2004年
油彩、キャンバス
45.5×37.9cm F8号
額なし
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