彦坂尚嘉 BUTSUGEN <仏眼> SERIES #1-7 (origin) [額装]
彦坂尚嘉というアーティストは、あくまでも現代にアクチュアルに関わり続けようとして
いるアーティストである。故に、その作品群には一見してランダムに散乱される関連性の
希薄なイメージを描きがちであるが、実はその表現には、歴史的な認識を踏まえた上での
現代という問題を正面から見据えた一貫性の背骨が存在している。彼の現在の問題意識は
産業化社会の終焉から情報化社会への移行期において、いかにしてモダンアートの死滅の
重圧から離脱するかにあると言える。その具体的な方法論として、従来からのデジタル時
代の絵画への志向(構図におけるデジタル数値計算化、色彩におけるデジタル色表指定)
に加えて、最近では、人類が生み出したあらゆる技術は複製技術であるとの認識に立ち、
コピー技術を利用した作品化にも臨んでいる。また、彼の問題意識は、冷戦構造の終焉と
ともに世界を席捲しつつある市場経済とアートとの関係にまで及んでいることも明らかで
ある。世界が市場経済化しているのなら、現代に生きるアーティストもそれに適応するこ
とが必然である。しかし、原理的に自由であるが故に、真・善・美を選別する力を持って
いない市場経済の欠けた部分を補完する役割こそが、本来的にアートに課せられた使命で
あるとの認識が彦坂尚嘉のスタンスであると思われる。これらの作品には、彼の問題意識
の所在とそれらへの取組みが如実に表現されている。
商品番号 |
pc0007 |
商品名 |
彦坂尚嘉 BUTSUGEN <仏眼> SERIES #1-7 (origin) [額装] |
販売価格 |
33,000円 |
税別価格 |
30,000円 |
送料区分 |
送料込 |
在庫数 |
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2004年
水彩、紙
イメージ:40.5×26.5cm (見えている部分のサイズです)
フレーム:
54.2×40.5cm