彦坂尚嘉 Naoyoshi Hikosaka
1946年東京生まれ。67年多摩美術大学油彩科入学、69年「美共闘REVOLUTION委員会」の結成 に参加する。70年「フロアー・イヴェント」を自宅で行う。75年・パリ、82年・ヴェネツィア 87年・サンパウロの各ビエンナーレに参加する。99年「グローバル・CON.展」(クイーンズ 美術館、NY))、01年「センチュリー・シティ展」(テートモダン、ロンドン)などで作品 を発表する。評論、著作など活動は多岐に亘る。 彦坂尚嘉は原理的に思考し、原理的で在らんとし続けているアーティストである。創ることの 根拠に常に遡って思考し、還元化された白紙の地平から、自己の表現の在り方、それを支える 構造を組立て、壊し、再構築し、猛烈な勢いで独創性の塊のような作品をこの世に送り出して いる。その徹底した、妥協を許さない姿勢から生まれる表現は、西欧モダニズムの基盤そのも のの限界を突く強度を秘めたものである。彦坂尚嘉の自己表現史はその起点において完成して おり、その論理は強く一貫しており、その推進力もこれまた衰えを見せることはない。この一 見、今までの表現形式と断絶した美的体験を強いる作品群を前にして、視る者は戸惑い、想い 悩むことであろう。それらは決して心地良さや癒しの感覚を、日常生活に疲弊した我々にもた らしてくれる性格の表現ではないからである。しかし考えても見よう。神の不在と人間の限界 が明らかになったこの世において、彦坂尚嘉が創ることの根拠を問い直し、自らの表現の在り 方を確立したように、我々は生きることの根拠と意味を問い直し、その自問のベクトルを自ら に向ける時に在るのではないだろうか。そしてそれに対する解答としてのプラクティスこそが 個別の生を現代に生きるということなのではないだろうか。彦坂尚嘉の表現には、この幻想と 観念の現実化へのどうしようもない衝動に、勇気を与えてくれる何かが存在している。
商品一覧
|
|
|
|
|
|
|
|
|
彦坂尚嘉作品集
商品番号 pc0010
販売価格 1,000円
送料区分 送料込
在庫数
ソフトマシーン美術館で開催の彦坂尚嘉回顧展の作品集です。
詳細を見る
|
|
|