在り方・現れ方 Kigata09-D
大野浩志は、その作品の制作にあたり、絵筆ではなくペインティングナイフを使うことを
選択したのである。そして、その作品の「在り方」に決定的な影響を与える色彩において
は、プルーシャンブルーという油絵具を選択したのである。次に、画家である大野浩志が
決意したことは、なんと「描く」のではなく、「塗る」という行為なのである。それは、
木という素材の表面に、息を凝らすような緊迫した想いと意志をもって、繰り返し繰返し、
ただ「表面」に均等に「塗る」ということなのである。そして、この作者の「塗る」とい
う行為は、プルーシャンブルーという青系の絵具が、限りなく黒に近づきながらも決して
黒に成り切れないことを、自ら語る時点まで続けられるのである。作品は、通常、一年間
という制作プロセスを経ることにより、完成へと至ると言われている。その結果としての
美しさは、イリュージョンとしてではなく、作品に宿る実態として、作者の作為や意図を
すら超えた、向こう側から静かに訪れて来る「現れ方」となるのである。大野浩志は「個」
としての表象欲を積極的に捨て去ることにより、無限なるもの、永遠なるもの、非日常な
るものを、全身全霊をもって感じ取り得る瞬間を夢見ているのである。
商品番号 |
da0020 |
商品名 |
在り方・現れ方 Kigata09-D |
販売価格 |
112,310円 |
税別価格 |
102,100円 |
送料区分 |
送料込 |
在庫数 |
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製作年 2008〜2009
材質・技法 風船用木型に油彩、バーナーで燃焼
作品サイズ 32.5cm×27.4cm×5.0cm
額装(前面にガラスは入っていません)
写真のネジ釘は以前展示していた時のもので、額装後は裏から額に固定しております。
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