李禹煥 遺跡地にて 3
リトグラフ 4版4色
アルシュ紙
5/50部
<額装>
イメージ 67×82cm
シート 74.5×100cm
フレーム(額) 88×103×2.5cm
1984年
商品番号 |
PA0003 |
商品名 |
李禹煥 遺跡地にて 3 |
販売価格 |
0円 |
税別価格 |
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本来的にコンセプチュアルな性向のある李禹煥は、72年から始まる「点より」「線より」
と言った作品において、反復する点と線を張り詰めた意識と息詰まる想いを持って描くと
言う行為自体に還元させた作品を残した。点と線には、その行為をコントロールしようと
する強い意志が痕跡として残ることとなり、李禹煥の「今」は永遠性と物質性を獲得する
ことに成功している。しかしここにはまだ、絵画空間を細部に亘って自己(内部)の管理
下に置こうとする作為が存在していると言える。次に李禹煥は、83年に始まる「風から」
「風とともに」と言った作品に観られるように、芸術を自己による支配から解き放ち、あ
たかも自己を風が吹き抜ける器として世界(外部)に開かれたものにしようとしている。
つまり、自己を限定し外部を受け入れることにより、作品が自己の限界を超える存在とな
ることを願っているのだ。84年の版画作品「遺跡地にて」は、李禹煥のこうした芸術観の
変遷のプロセスを物語っているように想われる。作品は自ら閉ざされた対象物としてのモ
ノではなく、世界を受入れることによる軽やかな雰囲気を漂わせている。しかし、その絶
妙に配置されたモノの「個性」が、その出現の決定的な瞬間を顕わにしており、世界との
「出会い」の感動を痕跡として残すこととなっている。